今回はマーケティングの基本である「SPT分析」に関して詳しくご紹介したいと思います。
マーケティング職に限らず製品企画/開発職や営業職の方も知っておいた方が良いビジネスパーソン必須の内容だと思います。
STP(エスティーピー)分析とは
STP分析とは、 Segmentation(セグメンテーション=市場細分化)、 Targeting(ターゲティング=狙う市場の決定)、 Positioning(ポジショニング=自社の立ち位置の明確化)の3つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析法です。
アメリカの経営学者でマーケティング論の権威、フィリップ・コトラーが提唱したマーケティング戦略の基礎的フレームワークで、業種や商材などを問わず活用できます。
Segmentation セグメンテーション
市場の細分化(顧客をさまざまな切り口で分類し、特定の属性ごとにグルーピング=セグメントを作る)すること。
Targeting ターゲティング
細分化したセグメントの中から自社にとって最適なセグメントを選択すること。
以前に「新規事業でのTAM、SAM、SOMの試算方法」でご紹介した下記の図で、「B市場」を細分化(セグメンテーション)したのが中央の複数の長方形に分かれている部分です。
そして背景が青く、5人のシルエットがある部分がターゲティングのイメージ図です。
Positioning ポジショニング
ターゲットとしたセグメントを獲得するために市場で自社の立ち位置を明確にすること。
セグメンテーションの手法
デモグラフィック(人口統計的変数)
デモグラフィックとは、年齢/性別/職業/家族構成/学歴/職歴など、人の変わらない基本情報を基にしたセグメント指標です。
事例
- 美容家電
- キッズ携帯やシニア向け「かんたんスマホ」など
サイコグラフィック(心理的変数)
サイコグラフィックとは、ライフスタイル/性格/志向性などといった個人の心理に基づく情報を使ったセグメント指標です。
事例
- 「星野リゾート」非日常がコンセプトのリゾートホテル/旅館)
- 「HUBLOT」スイスの高級腕時計ブランド
ジオグラフィック(地理的変数)
ジオグラフィックとは、国/地域/気候など、地理的要因に絡む情報を基にしたセグメント指標です。
事例
- 農村部向けホームセンター「コメリ」
- 寒冷地向けエアコン
ビヘイビアル(行動変数)
ビヘイビアルとは、買い物の頻度・買い替えのタイミング・使用用途などといった個人の行動に焦点を当てた情報を使ったセグメント指標です。
事例
テレビ通販などの「お試しセット」
6Rとは
6Rとは、セグメンテーションを実施する際に注意するポイントです。 Realistic scale(有効な規模)、Rate of growth(成長率)、Rival(競合)、Rank(優先順位) 、Reach(到達可能性)、Response(測定可能性)の6つの英単語の頭文字をとって名付けられました。
Realistic Scale 有効な市場規模
有効な市場規模が大きければ、商品やサービスが市場に浸透した際の売上や利益も大きくなります。 しかし市場規模が大きいと競合も多く、競争が激しくなるのがデメリットです。
セグメンテーションで他社に見えていない市場を見つけるのが成功の鍵になります。
Rate of Growth 成長率
ターゲティングする市場の成長性を分析します。今後の成長が見込める場合は、早期に参入することで先行者利益を獲得できます。衰退している産業でも特定のセグメントでは成長が期待できる場合があり、そのようなセグメントを見つけることが成功の鍵になります。
Rank 優先順位
ターゲット層の関心度が高い商品やサービスを提供すれば、ユーザーに発見してもらえる可能性は高まります。
また口コミなどの伝搬性が高いことでもユーザーに発見してもらえる可能性は高まります。
Rival 競合
参入する市場に競合がいないブルーオーシャンを求めたい気持ちになりますが、競合がいない市場には顧客もいない可能性の方が高いかもしれません。競合がどこなのか?競合の商品やサービスの利用者便益はなんなのか?競合の商品やサービスに利用者が不満を持っていることがわかれば参入しやすいです。
Reach 到達可能性
ターゲット層に商品やサービスを届けられる販売チャネルや広告・コンテンツメディアが存在するかを確認しましょう。
高齢者向けのWebサービスなどでは、どんなに利用者に便益があっても、届ける手段がないことなどが想定されます。
Response 測定可能性
商品やサービスのマーケティング施策の効果を測定する指標と方法を検討します。
効果をみながら施策を改良していくことで効率的に効果を高めることができます。
ポジショニングとは
ポジショニングマップの作り方
- 顧客のペインポイント※を特定する
- 自社製品/サービスの特長を洗い出す
- 競合商品/サービスと比較する(自社商品/サービスが輝く顧客への訴求ポイントを2つ選びマッピングする)
※ペインポイント:顧客がお金を払ってでも解決したいと思っている課題
まとめ
今回はマーケティングの基本である「SPT分析」に関して詳しくご紹介しました。マーケティング職に限らず製品企画や営業などでも必須の考え方だと思います。
事例などはYouTubeやTikTokなどで紹介してみようと考えているので是非、チャンネル登録やフォローしてください。
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