#09【STEP7】新規事業でのコミュニケーション戦略を徹底解説! | 新規事業を立ち上げるプロセス

新規事業立ち上げプロセス

新規事業を立ち上げるプロセスの『STEP7』はコミュニケーション戦略です。

今回はコミュニケーション戦略の立案手法を徹底解説したいと思います。

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シマダオ

大企業の社内起業家。役員会での承認獲得のプロフェッショナル(直近2年間は役員会付議承認率100%)。BizDev時代に担当スタートアップ5社がIPO(株式上場)を達成。専門はマーケティングと交渉業務。

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コミュニケーション戦略とは

コミュニケーション戦略とは、商品・サービスなどの情報を、ターゲットユーザー層に効率的かつ効果的に伝えるための戦略のことです。

新規事業では「適切な顧客」と「その顧客にとって重要な課題」を特定して「課題を解決できる製品」が出来たとしても成功するとは限りません。

自社の商品・サービスを購入してくれるターゲットユーザー層に対して、どのように商品・サービスの内容を訴求し、ターゲットユーザーに認知、購入してもらうのかをまとめます。具体的には、どのような価格設定にするのか、どこで売るのか、どのようなプロモーションを行うのかなどを提示します。短期的な集客策だけでは事業の安定性・継続性を問われやすいため、リピーターの獲得戦略なども加えると理想的です。

コミュニケーション戦略フロー

まずはコミュニケーション戦略を策定するフローをご紹介します。

STEP1:ターゲットユーザーとターゲットユーザーの課題を探す

まずはステップ1では、ターゲットユーザーとターゲットユーザーの課題を探します。このブログでは既に手法をご紹介していますので、そちらをご覧ください。

STEP2:ターゲットユーザーに伝えるメッセージを検討する

ステップ2ではターゲットユーザーに伝えるメッセージを検討します。私は「手書きの戦略論」で紹介されているクリエイティブリーフを検討などで活用させてもらいました。

クリエイティブリーフは広告のフレームワークですが新規事業開発でのコミュニケーション戦略でも活用できます。コミュニケーションは広告に限定したものではないですがクリエイティブリーフはターゲットユーザーに伝えるメッセージを整理するのに有効なフレームワークとなります。

具体的に見ていきましょう。

クリエイティブリーフ見本

参考:手書きの戦略論

コミュニケーションの目的

まずはコミュニケーションの目的を設定します。新規事業の初期では初期ユーザーの獲得にはなると思いますが、リピート顧客を増やす目的や顧客単価を増やす目的などフェーズや事業課題によって設定すれば良いと思います。

プロポジション

プロポジション(proposition)とは提案のことです。新規事業開発ではリーンキャンパスというフレームワークでUVP (Unique Value Proposition=独自価値の提供)を定義したりします※下記で独自価値=Unique Valueとしている部分

なので新規事業の場合は検討段階で定義した独自価値=Unique Valueがプロポジションになると思います。

ターゲットユーザー

こちらも新規事業では初期に整理済みですね。前の記事でも紹介していますがペルソナシートの作成などで初期のターゲットユーザーを特定できます。

詳細は「ペルソナシートの作り方を徹底解説!」でご紹介します。

信じられる根拠

信じられる根拠(Evidence)を用意します。検証結果データやアンケート結果、権威がある方の推薦などが該当します。映画のプロモーションで良く使われる「全米が泣いた」なんかも先行公開されたアメリカで観た人の多くが感動したって信じられる根拠(Evidence)になっています。

ユーザー課題と提供する価値

こちらも新規事業開発では整理が終わっているかと思います。詳しくは【STEP1】「顧客課題を探す」、【STEP2】「課題の解決策を検討する」で解説しています。

トーン(どんな雰囲気で伝えるか?)

どんな雰囲気で自社の商品・サービスを紹介するのかを整理します。「楽しい感じ」「権威が感じられる」「危機感を煽る」など伝える雰囲気を決めます。

コンシューマーインサイト(人を動かす心のツボ)

コンシューマーインサイトは「顧客の無意識な本音」のことですが、クリエイティブリーフでは顧客に「自社の商品・サービス」を選んでもらう上での顧客の行動や思惑、それらの背景にある意識を見ぬいたことによって得られる「購買意欲の核心やツボ」のことです。

STEP3:ユーザーとの接点を設計する

ユーザーとの接点を設計します。新規事業開発では「オウンドメディア」「アーンドメディア」や「営業」「売り場」など、どこをユーザーとの接点とするのかを決めます。ちなみに新規事業での「ペイドメディア」の活用は「オウンドメディア」「アーンドメディア」での効果を基に設計するのが効果的です。

STEP4:各接点ごとの伝え方を検討する

クリエイティブリーフで整理した「どのように伝えるかの方針」を顧客接点ごとにクリエイティブを検討します。例えばTwitterとランディングページでは1回に伝えられる情報量と更新頻度などに大きな差があります。

Twitterでは文字数に制限があるため画像と組み合わせて投稿しても1回に伝えられる内容は限定的です。ただ1日に複数回の投稿も可能ですので発信頻度は高くなります。

逆にランディングページは情報量はコントロールできるので1回に伝えられる内容は多いです。しかし頻繁に更新することを前提としない待ちのメディアです。

またWeb広告などは配信ターゲティングを設定することで対象を限定できますので伝える内容も設定ごとにカスタマイズすることで効果が高まります。

また各接点を連携させるフローも整理します。例えばTwitterでコミュニケーションする内容ごとにランディングページを用意するなど接点ごとの連携を整理すると効果が高くなります。

STEP5:実行と評価

ステップ4まで整理ができたら目標と予算を設定して評価するための指標を決定します。

コミュニケーション戦略の評価指標としては「どれだけの人に接触し、認知してもらい、興味を持ってもらい、購入してもらい、リピート購入してもらい、共有してくれたのか」と言った顧客の購買フェーズごとに数値で管理できる指標化します。

顧客の購買フェーズは下の「パーチェスファネル」の通り購買に近づく程に少なくなります。

パーチェスファネル

次回はいよいよ、新規事業を立ち上げるプロセスの解説の最終回「【STEP8】新規事業でのKGI/KPIの活用法を徹底解説」です。お楽しみに!!

まとめ

今回は「新規事業でのコミュニケーション戦略」の立案手法などを徹底解説させていただきました。

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