#14 共感マップの作り方を徹底解説!(事例あり) | 新規事業のヒント

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事業開発や商品開発でペルソナを設定する機会が増えてきていると思いますが(ペルソナを詳しく解説している記事はコチラ)今回はペルソナの理解を深めるフレームワーク「共感マップ」を詳しく解説していこうと思います。

この記事を書いた人

大企業の社内起業家。役員会での承認獲得のプロフェッショナル(直近2年間は役員会付議承認率100%)。BizDev時代に担当スタートアップ5社がIPO(株式上場)を達成。専門はマーケティングと交渉業務。

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共感マップとは

共感マップとは、「ペルソナが見たり・聞いたり・考えたり・感じたりしていることを整理することで、顧客の課題を整理するフレームワーク」です。

ペルソナを設定する目的は、企画者やマーケターがペルソナになりきって思考し課題を感じることです。そうすることで顧客のインサイト(深層心理での購買意欲の核心やツボ)を発見することが目的です。※ペルソナに関してはコチラ

顧客のインサイト(深層心理での購買意欲の核心やツボ)を発見するために、ペルソナになりきって思考し課題を感じるためのフレームワークが共感マップです。

「ペルソナ」とはサービス・商品の典型的なユーザー像のことで、マーケティングにおいて活用される概念です。実際にその人物が実在しているかのように、年齢、性別、居住地、家族構成、学歴、職業、収入、休日の過ごし方、好きな雑誌・メディア、興味関心、性格……などユーザー像がイメージできりるように詳細な情報を設定していきます。

共感マップの6つの基本要素

共感マップは、ペルソナの視点で感じていること、考えていることなどを整理します。

「ペルソナが見たり・聞いたり・考えたり・感じたりしていることペルソナになったつもりで考え、感じることで、顧客のインサイト(深層心理での購買意欲の核心やツボ)を発見するのに役立ちます。

また一目でペルソナの視点を俯瞰できるようにマップ化することも共感マップの優れている点です。

共感マップの要素は、以下の6つになります。

  1. ペルソナが考えていること・感じていること
  2. ペルソナが見ているもの
  3. ペルソナが聞いていること
  4. ペルソナが言っていること・行動
  5. ペルソナの痛み・悩み
  6. ペルソナが得られるもの・欲しいもの

共感マップの作り方

1.ペルソナを設定する

まずはペルソナを設定します。ペルソナの設定に関しては「ペルソナシートの作り方を徹底解説!」で詳しく解説しています。

ペルソナシート(例)

2.共感マップを作成する

ペルソナの設定ができたら6つの要素を箇条書きにしていきます。

ペルソナが考えていること・感じていること

ペルソナは普段、どんなことを考え、感じているでしょうか?例にあげた田中綾乃さんで妄想してみましょう。

  • 人から認められたいと潜在的に考えている(無意識に見栄をはってしまう)
  • 新しい物やサービスが好き(良い物やサービスは他の人より早く利用したい)
  • お洒落、かわいいと思われたい
  • 購買行動ではコストパフォーマンスを重視している
  • インフルエンサーとして収入が得られたら良いなと考えている
  • 大学を卒業したら大手メーカーとかでマーケティングの仕事がしたい

大事にしていることが何か?願望や夢なども妄想します。

ペルソナが見ているもの

ペルソナが日常の生活でどんな物やメディアなどを見ているかについて妄想します。

  • InstagramやTwitterで憧れのインフルエンサーをフォローして毎日チェックしている
  • ファッション、カフェなどの情報をInstagramのタグ検索でチェックすることが多い
  • ニュースなどの一般常識的な情報はYahoo!ニュースでチェックしている
  • アルバイトをしている恵比寿の街で見かけるお洒落女子には目がいってしまう

ペルソナが聞いていること

ペルソナが日常で聞いていることや言われていることです。友達やバイトの同僚などから言われて気にしていることやSNSで言われたことなどを記入します。

  • 1人でいる時は移動中も勉強中もAmazonミュージックでカフェ風音楽を聴いている
  • 綾乃って服のセンスいいよね(大学の女友達)
  • しっかりしてるねー(バイトの同僚)
  • 頭よさそう(バイトの同僚)
  • いつもファッションコーデ参考にさせてもらってます(Instagramのフォロワー)

ペルソナが言っていること・行動

ペルソナが普段の生活で言いそうな言葉や、とりそうな行動です。

  • 欲しい物があるからバイト頑張る!(友達に良く言うこと)
  • 親からの仕送りは就職したら返すんだ(友達と飲むと良く言うこと)
  • 映えそう!(写真や動画がInstagram映えしそうな物には敏感)(良く言うこと)
  • 予定がないと入れたくなっちゃうんだよね(良く言うこと)
  • 1日に1回はInstagramやTikTokに写真や動画を投稿している(行動)
  • 撮影は基本iPhoneだけど一眼レフカメラが気になっている

ペルソナの痛み・悩み

特に重要な項目です。

ネガティブな感情にヒントが隠れていることが多いです。開発しようとしている製品やサービスの代替品に対して、ペルソナが普段から抱えている痛みや不安、悩み、ストレスなどを洗い出します。

  • InstagramやTikTokに質の高い投稿をするためのネタがない…
  • ファッション系の投稿に反応が良いけど新しい服を頻繁に買うお金はないしな…
  • お洒落なカフェで撮影した写真や動画は評判いいけど、撮影するのがちょっと恥ずかしいんだよね
  • 撮影用に一眼レフカメラが欲しいけど持ち歩くのは邪魔だし、高いのよね。。。

ペルソナが得られるもの・欲しいもの

ペルソナが欲しているものやことを書いていきます。

  • 大好きな服が欲しい
  • 大学生のうちにインフルエンサーになれたらいいな
共感マップの作成は、できるだけグループで作業することをおすすめします。なぜなら、誰か一人の主観による偏りのないものにできるからです。

ユーザーインタビューをもとにブラッシュアップする

共感マップの6つの要素を書き出すことができたら、作成した共感マップを検証することでブラッシュアップしていくことをおすすめします

なぜなら、できるだけ誰かの主観に偏らないようにグループで検討した共感マップだとしても、あくまで「仮説」の域を出ません。

インタビューなどでユーザーが実際に「見たり・聞いたり・考えたり・感じたりしていること」を聞き出し、仮説が間違っている場合は訂正し、新たな発見があれば書き加えます

何度もブラッシュアップして、より実態に近い内容の共感マップを作成しましょう。

共感マップと併せて活用したいフレームワーク

共感マップと併せて活用したいフレームワークにカスタマージャーニーマップがあります。

カスタマージャーニーマップとは、「顧客が製品・サービスとのかかわりの中でたどる一連のプロセス」「旅」と捉えて、顧客の実態を把握したりするために活用するフレームワークです。

製品・サービスのターゲットとするペルソナを設定し、そのペルソナが商品に興味を持って購入に至るまでの行動を整理する中で、見逃していた課題を発見することを目的としたフレームワークです。

このカスタマージャーニーマップを、共感マップをもとに作成することで、よりリアルな顧客像をイメージできるようになります。

まとめ

今回は、ペルソナの理解を深めるフレームワーク「共感マップ」を解説させてもらいました。「ペルソナシート」や「カスタマージャーニーマップ」と併用することで顧客の理解を深められる強力なツールです。

新規事業や新商品の開発だけでなく、既存商品の課題を洗い出したり機能改善などを検討する際にも活用できます。

また「ペルソナシート」や「カスタマージャーニーマップ」と同じですが、作りっぱなしにせずに定期的に修正を加えていくことで、製品やサービスのリリース後も長く活用することが出来ます。

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