#21 新規事業でのユーザーアンケートの極意を徹底解説! | 目的や流れ、留意点など

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新規事業のヒント

新規事業開発で、もっとも重要なことの1つが「ユーザーインサイト(ユーザーの内面に隠れている本音)の発見」です。

前回はユーザーインタビューに関して説明しましたが今回は、ユーザーインサイトを発見するためのユーザーアンケートの秘訣を解説します。

ユーザーアンケートとは

ユーザーアンケートとは、商品やサービスのユーザーに対して、同じ質問を多数の人々に出して、回答を求めるリサーチ手法です。

ユーザーアンケートは、様々な用途で活用されますが、本記事では新規事業の立ち上げをおこなう際の、ユーザーアンケートに関して解説していきます。

新規事業の立ち上げ期のユーザーアンケートでは、アンケートの対象者はペルソナと呼ばれるサービス・商品の典型的なユーザー層です。

ユーザーアンケートは、ユーザーインタビューなどの定性調査に対して、対象者層がどのような考えや行動をするのかを大枠で捉えるための「定量調査」に分類されます。

ユーザーアンケートの目的

新規事業開発をおこなう際に、ユーザーが持つ課題などをユーザーインタビューなどで洗い出した後に、洗い出したユーザー課題がどのくらいのマーケットサイズがあるのか検証したい時などにユーザーアンケートを実施します。

ユーザーアンケートの流れ

アンケートを実施するまでに大きく分けて3つのステップがあります。

ステップ1:設問作成

「課題」や「顧客の行動や思考」に対して自分たちが想定していることと合っているかを確認するための設問を作成します。

  • アンケートを実施する目的を明確にする
  • アンケートの目的を満たせるように必要なアンケート項目を整理する

必須/任意の項目使い分け

必須項目にすべき事項
  • アンケートの集計で使用する可能性が高い基礎情報(年齢・性別・居住地など※アンケートの目的による)
  • アンケートの目的を検証するための質問
任意項目にすべき事項
  • 具体例などを聞くような自由記述の質問

質問項目(特に必須項目)が多いとアンケート回答率が低下してしまうリスクが高まるため、必要最低限の質問項目数に絞るべきです。また、必須項目に自由記述の質問を入れることも注意が必要です。

ステップ2:回答(選択肢)の作成

「課題」や「顧客の行動や思考」に対して自分の設定が正しいのかを確認するための設問を検討し、設問にあった回答形式を選択します。

単一回答/単一選択型(ラジオボタン)

選択肢の中から1つだけ回答を選択させる回答形式です。
活用法:「最も希望するものを1つだけ」など回答を絞りたい場合に活用します。

回答者の思考にかかる負担が少なく、回答率が高い傾向があります。

複数回答/複数選択式(チェックボックス)

選択肢の中から当てはまるものを全て選択させる回答形式です。
活用法:1つの質問に対して複数の回答が考えられる場合に活用します。

単一回答でも言えますが、該当する選択肢がない場合に無回答と区別するために「あてはまるものがない」等の選択肢を加える必要があります。

プルダウン型

選択肢をプルダウンで1つだけ選択させる回答形式です。

選択肢が多い場合などに活用できます。一定の規則がある選択でないと回答を見つけられず離脱してしまうリスクがあります。

Yes/No型

質問に対して二者択一で選択させる回答形式です。

二者択一で回答が得られるため分析が容易、ただし人によって解釈に差がでるような質問には注意が必要です。

回答者の思考にかかる負担が最も少なく、回答率が高い傾向があります

均等目盛型

質問に対して1つの軸で選択させる回答形式です。

満足度などを5段階評価してもらう場合などに活用できます。

マトリクス型(グリッド)

同じ質問を一度にまとめて表形式で選択させる回答形式です。

均等目盛、マトリクス型の回答で「5段階の3」や「普通」などが選択されやすい傾向があるため4段階や6段階の選択肢として、どちらかに偏るように設計するなどの工夫が必要です。

自由記述式

自由に記述(回答)させる回答形式です。

回答者の意見などを知りたい場合に活用しますが、意味不明な回答も入る可能性があり、集計にも手間がかかります。また回答率を下げる傾向があるので安易な利用は控える必要があります。

アンケートの最後に「インタビューをお願いしたい場合はご協力いただけますか?」とYes/No型の二者択一設問を用意して意見が聞きたい場合はインタビューを依頼するなどのテクニックもあります。

回答(選択肢)作成のポイント
内容にもよりますが、設問数は15~20問程度までにしましょう。
※5分程度で回答を完了できる設問数にする。
アンケート後に直接インタビューを依頼したい場合は、メールアドレスを取得するのが良いと思います。

ステップ3:フォームの作成

  1. Webアンケートツールなどを選ぶ(私はGoogleフォームしか利用したことありません)
  2. フォームの名称とフォームの説明文の記入する
  3. 事前に準備した質問項目と記入して回答形式を選択する

最終チェック
アンケート制作者以外のプロジェクトメンバーなど身内にアンケートに協力してもらい、言い回しや回答形式などに違和感がないか確認してもらう

ユーザーアンケートのコツと留意点

  • アンケートの報酬としてAmazonギフト券などのインセンティブを贈るケースもあるが、インセンティブを前面に出し過ぎると中身のない意見が集まってしまうリスクがある
  • 専門用語や業界用語は使用しない(使用する場合は補足説明をおこなう)
  • 自由記述式型の回答形式が多いと、回答者数の減少や無回答が増える傾向がある。また定量分析もしづらくなるため、必要最低限にする。
  • 個人情報を取得する場合、個人情報の取り扱いについて記載する

ユーザーアンケートで活用できるツール

Googleフォーム

GoogleフォームはGoogleが提供しているアンケートフォームです。
作成したフォームに情報が入力されると、回答内容が自動的に集計・グラフ化されるので便利です。

Googleフォーム

formrun(フォームラン)

私はGoogleフォームしか利用したことがありませんが、formrun(フォームラン)の特徴は無料でもデザイン性の高いアンケートフォームが作成できるようです。CSV出力は有料プランを使う必要があります。

formrun(フォームラン)

SurveyMonkey(サーベイモンキー)

SurveyMonkeyは、アメリカのSurveyMonkey社が開発したアンケート作成ツールです。

200種類以上のテンプレートが用意されており、さらに1,600以上の質問サンプルから新たな質問を追加できるため、作成したいアンケートをすぐに作ることができます。また、回答データの集計・分析機能が充実しており、回答を自動で集計してくれる機能や、自動でグラフ化してくれる機能があります。

無料プランがみあたりません。有料プランが前提なのかもしれません。

SurveyMonkey

Questant(クエスタント)

年間20,000件を超える調査実績があるマクロミルのノウハウがシステムにつまっていて、初心者でもまるで画面と会話をするように、かんたん、直感的に無料でWebアンケート作成ができるアンケートツールです。

ただ無料プランでは質問数は10件まで、回答閲覧数にも制限されます。またCSV出力も有料プランを使う必要があります。

Questant

まとめ

今回は、新規事業で大切なユーザーインサイトを発見するためのユーザーアンケートの秘訣を解説しました。

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