#11 リーンスタートアップを徹底解説! | 現役イントレプレナーが教える新規事業のヒント

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新規事業のヒント

これまで「新規事業を立ち上げるプロセス」を全10回でご説明してみました。

今回からは新規事業で役立つ考え方、フレームワークなどを詳しく解説していきます。

第1回の今回は新規事業開発の定番「リーンスタートアップ」について解説します。

この記事を書いた人
シマダオ

大企業の社内起業家。役員会での承認獲得のプロフェッショナル(直近2年間は役員会付議承認率100%)。BizDev時代に担当スタートアップ5社がIPO(株式上場)を達成。専門はマーケティングと交渉業務。

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リーンスタートアップとは

リーンスタートアップとは「無駄を削り、効率的に仮説を検証しながら、検証結果をもとにサービスを改良していく開発手法のことです。

リーンスタートアップのプロセス

ではリーンスタートアップの実施手順やプロセスについて解説していこうと思います。

仮説→検証→学習→

リーンスタートアップは、以下のプロセスを繰り返しながらサービス/プロダクトを改良していく開発手法です。

リーンスタートアップのフィードバックループに近いフレームワークで昔から使われているPDCAサイクル(Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善))があります。

またPDCAに似たフレームワークでOODA(Observe (観察)、Orient (状況判断、方向づけ)、 Decide(意思決定)、Act (行動))と言うのがあります。

リーンスタートアップのフィードバックループもPDCAやOODAと同じように、やってみて効果を見て、グルグル回していきます。PDCAとの違いは計画をしっかりやる前にサービス/プロダクトをリリースして、そこから学びを得る点です。

新規事業を立ち上げるプロセスの『STEP3:仮説検証』でも紹介しましたがMVP(Minimum Viable Product)などで仮説検証するのが特徴で、必ずしもサービス/プロダクトを作りません。

MVPとはMinimum Viable Productの略で、日本語では『実用最小限の製品』と訳されます。最小限の機能を搭載した製品を小規模なグループにテストし、フィードバックをもらうことで、素早くフィードバックループを回転させ、仮説を検証するために利用します。

リーンスタートアップで活用できるフレームワーク

リーンキャンバス

顧客課題を探す」でも紹介しましたがリーンキャンバスです。

リーンキャンバスは、ビジネスモデルを9つの要素に分けて考えるフレームワークです。

右上にある「数字」の順に検討をすすめるとビジネスモデルの検討がすすめられるフレームワークです。

リーンスタートアップの手法では「顧客は誰なのか?」次に「その顧客の課題は何なのか?」を考えるところからスタートします。リーンスタートアップのフィードバックループで「構築」「計測」「学習」のループを回すのがリーンスタートアップの特徴とお伝えしました。

またPDCAとの違いは計画をしっかりやる前にサービス/プロダクトをリリースして、そこから学びを得る点だともお伝えしました。

しかし、「構築」「計測」「学習」のループを回す前に重要なのがユーザーと向き合い、ユーザーの

MVPキャンバス

MVPキャンバスとはMVP※の創出やMVPを用いた仮説検証をするための計画を作成するためのツールです。リーンキャンバスと同じようにチーム内で、その内容を共有するために活用できます。
以下の10の領域に分かれており、それぞれを記載していきます。

※MVP(Minimum Viable Product)とは、顧客に価値を提供できる最小限のプロダクトのことを指します。 完璧な製品・サービスを目指すのではなく、顧客が抱える課題を解決できる最低限の状態で提供します。 提供後は、顧客からのフィードバックなどを参考にし、新機能の追加や改善点の見直しを図ります。

仮説 Hypothesis/Assumption

構想中の事業の中で最も優先度の高い(課題度の高い)仮説を記載します。優先順位を決めることで、どの仮説から着手すべきかの意思決定が可能になります。

何を学ぶのか What to lean

仮説検証をする目的を記載します。
目的(何を学びたいのか)を明確にします。

仮説実証方法は? How to validate the hypothesis with MVP

どのように検証すれば、知りたいことが学べるのかを具体的に記述します。

データ/条件 Criteria of validation

仮説実証のためには、どのような条件や定量データが必要なのかを整理します。

MVPとして何をつくるのか? What to build

今までに設定してきた項目からMVPとして何をつくる必要があるのかを記入します。

詳しくは「仮説検証のやり方を事例を基に徹底解説」で解説しています。

MVP構築にかかるコスト Cost

MVP構築にかかるリソースや予算を記載します。実証で必要となる外部委託費や、人件費、実証場所の費用なども試算します。

実証に必要な期間 Time

仮説の実証に必要となる時間を割り出します。できるだけ具体的なスケジュールに落とし込みます。

リスクと回避策 Risk

仮説を検証する上で発生する可能性のあるリスクと、回避策を記入します。

検証結果 Result

仮説検証した結果をまとめます。

得た学び Result

検証結果から、どのような学びがあったのか、その結果を生かして次のフェーズでどのようなアクションを起こすべきなのかを記載します。

リーンスタートアップのメリット

コストや時間を抑えられる

MVPは完成しきったプロダクトではなく、あくまでも仮説検証が目的の「プロトタイプ」のようなものです。そのため、MVPを準備するためのコストや時間はかなり抑えられます。また、リーンスタートアップのフィードバックループを高速回転しますので改善改良のコストや時間も抑えられます。

顧客からのフィードバックを素早く得られる

プロダクトを素早く市場に出せるため、顧客の声をいち早く得ることができます。また、リーンスタートアップは顧客の声を聞き、修正を加えることがステップの中に含まれているため、顧客の声を即基に、顧客の課題に沿ったプロダクトを市場に提供することができます。

リーンスタートアップのデメリット

リーンスタートアップのデメリット

SNSなどの普及で、顧客の評判は良くも悪くも、すぐに拡散してしまいます。そのためMVPで完成度の高くないプロダクトを世に出すと、悪い評判が拡がってしまうリスクがある点がデメリットとして良く聞かれます。

リーンスタートアップが向かない業界

また、リーンスタートアップが向かない業種もあります。ITサービスをはじめとする改善したサービスを顧客に届けるのが容易な業界ではリーンスタートアップが効果を発揮しやすいですが、プロダクトが顧客に届いた後は改善の機会がない(少ない)業界やプロダクトの場合は、リーンスタートアップには向かないかもしれません。

リーンスタートアップの関連書籍

まとめ

今回はリーンスタートアップを徹底解説させていただきました。

新規事業では、とても参考になる開発手法です。参考にしてもらえると嬉しいです。

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