#07 【STEP6】新規事業のチームビルディングの極意|新規事業を立ち上げるプロセス

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新規事業立ち上げプロセス

新規事業開発では事業課題やビジネスモデルの検討に活用できるフレームワークや事例などの情報はインターネット上に溢れています。しかし新規事業を開発する上で私が重要だと思うチームビルディングに関する情報は「活用可能なフレームワーク」や「成功事例」などほど多くないと感じました。

今回は新規事業を成功に導くためのチームビルディングの極意をお伝えします。

新規事業成功の最大の要因

新規事業を成功させる要因は何だと思いますか?「ビジネスアイデアである」「正しい事業戦略である」「営業力である」「資金力である」人によって重要だと思う軸は違うかもしれません。
大企業とベンチャー企業で新規事業の立ち上げを数多く担当してきた経験から新規事業成功の最大の要因は「人である」と考えています。もちろん「ビジネスアイデア」も「正しい事業戦略」も「営業力」も「資金力」も重要です。しかし、それらが揃っていても実行するメンバーのアサインに失敗してしまえば成功はありえません。
なので新規事業を成功させるために成功できるチームを組成・構築(チームビルディング)に関して私の経験を中心にご紹介していきます。

チームビルディングとは

チームビルディングとは、「同じ一つのゴールを目指す集団を、意図を持って組成・構築する事によって、各メンバーの能力を最大限に発揮し、目的・目標を達成出来るチームを作り上げるプロセス」のことです。

新規事業の立ち上げでは『新規事業を成功させる』と言う共有の目的のために各自の専門性を最大限に発揮できるチームを形成・構築することがチームビルディングとなります。

成功の確率を高める新規事業チームとは?

では、どのようなチームが新規事業を成功に導けるのでしょうか?

新規事業に適したチーム規模は?

一口に新規事業と言っても専任者だけで100人以上規模のチームでの事業立ち上げから、5人程度の小規模チームでの事業立ち上げまで幅広く携わった経験があります。

100人以上規模のチームでの事業開発では、サービス開始前に物流網の整備やカスタマーサポート(CS)センターの立ち上げ準備などを業務運用やCS担当、営業部門や開発部門などから人を集めてサービス開発をおこないました。しかし顧客もいないのに物流網やCS体制が整備されていくのには違和感を感じました。実際にサービスをリリースしても最初のうちは利用もすくなく物流網やCSはオーバースペックで遊んでしまっていました。。。

「一気にユーザーが来た時にCSがつながらなかったら信用を落としてしまう」など大企業の新規事業では万全の準備をしてサービスのリリースを目指すことがありますが、新規事業での機能は必要最低限で足りなかったら、直ぐに増強するしかないと思います。

もちろん事業内容により適したチーム規模は変わってくると思いますが、新規事業の立ち上げ初期は少数精鋭のメンバーで、検討した方が成功確率が高くなるのは共通なのではないでしょうか?

ただし少数精鋭とは言っても1人で新規事業の推進は避けた方が良いと思います。なぜなら視野が狭くなり、事業への視点も偏ります。できれば多様な専門性を持った3人から5人くらいのチームで事業検討を開始するのがお薦めです。

新規事業に適したチームのメンバー構成と新規事業開発に適した人とは?

新規事業の立ち上げ初期は少数精鋭のメンバーでおこなうとして、どのようなメンバー構成が成功確率を高めるのでしょうか?

事業内容によりチームメンバーの構成も変わってくると思いますが、『社内・外のコミュニケーションの専門家』『プロダクト企画・開発の専門家』『ファイナンスの専門家』がメンバーにいると、どんな事業だとしても事業を推進していくことができると思います。

また多様な職種のスペシャリストがいること、そして年齢や性別などもバラバラなことが理想です(いろいろな視点を持ち易いので)

また以下にどんな事業だとしても必要なマインドやスキルに絞ってご説明します。

マインド

ポジティブ思考

新規事業では想定外のことが起こります。良いことも悪いことも起こります。私も担当していた事業で新規顧客からの問い合わせが止まらない状態になったことがありました。「キターーーーーー」とワクワクしながら問い合わせ対応を開始できるのと、「うわー想定以上の問い合わせが来ちゃった…」と問い合わせ対応を開始するのとでは、チーム内の雰囲気も変わります。

逆に顧客からのクレームが発生した時にも謝罪、反省はしつつも「お客様から改善点を教えてもらった」と考えられるか、単にストレスとしてしまうかでは事業の学びに関しても大きな差が出てしまうことは想像が難しくないのではないでしょうか?

自分事(じぶんごと)思考=当事者意識

新規事業では次々にやらなければいけないことが発生します。「これはAさんの担当だから、これはBさんの担当だから」と自分の役割を決めて、それ以外はやらないでは事業が止まってします。

ですから新規事業に携わるメンバーは全ての事象を自分事として捉え積極的にかかわる姿勢が求められます。

あきらめずにやり抜く力

新規事業は思い通りにことが進むことは稀です。いくつもの壁に行く手を阻まれても試行錯誤しながら前進し続けなければ、事業開発は止まってしまいます。

できない理由を探せばいくらでも見つけられます。でも「どうすれば解決できるのか?」課題に真摯に向き合い解決に向けてやり抜く力が求められます。

スキル

コミュニケーションスキル

新規事業では全てのメンバーが社内はもちろん社外ともコミュニケーションすることが求められます。エンジニアやデザイナーなどプロダクト(製品)開発の担当だとしても顧客やパートナー会社の人など事業のステークホルダー(利害関係者)の声を聞いてプロダクト(製品)開発につなげなければなりません。

また新規事業開発チーム内でのコミュニケーションも重要です。自分の想いをチームメンバーに伝えたり、時には意見をぶつけ合わなければ良い事業は生まれません。

高い専門性

少数精鋭のメンバーでやる以上、それぞれが各領域のプロフェッショナルとして高い専門性と経験などを持っていることが望ましいと思います。特に『社内・外のコミュニケーション』『プロダクト企画・開発』『ファイナンス』を専門とするメンバーがいると理想的です。

どのようにチームビルディングするの?

私の経験(1)公募

新規事業のチームビルディングで望ましいのは公募だと思います。私は社内公募型の新規事業に応募して参加したことがあります。社長の前で100人以上がプレゼンをして6人が選ばれました。

6人全員が熱望して参加した新規事業、社長直下のプロジェクトとして公募で選ばれた私を含めた6人がプロジェクトマネージャーとなり社内、社外のメンバーを巻き込み新規事業を立ち上げました。

結果はテレビや新聞などにも掲載されるなど大成功させることができました。

私の経験(2)新規事業リーダーがリクルーティング

社内の新規事業提案制度は最大5名までチームビルディングをおこない応募する必要がありました。一緒に仕事をして「高い能力(専門性)」と「優れた人間性(コミュニケーション力や責任感)」を知っている同僚に簡単な事業企画書を作成してプレゼンしながらチームに誘いました。

結果的には私がリクルーティングした4人と新規事業提案制度に応募して見事に採択されました。事業企画以上にチームに専門性の高いメンバーをバランス良く揃えられたことが事業の実現性の観点から評価されたのだろうなと感じています。

実際に新規事業の立ち上げをおこなってみて一緒に仕事をして確認ができている業務能力や人間性は、お互いを信頼して業務を任せあう上で、とても重要だと感じました。

私の経験(3)会社によるアサイン

会社の人事で新規事業の立ち上げを担当することになったこともあります。私以外のチームメンバーも会社からの指示で集まったチームでした。

主体的に集まったメンバーと比べると「絶対に成功させよう」と言う気持ちが足りていないように感じました。

新規事業でリーダーに求められること

リーダーシップ

新規事業に限りませんが、新規事業の立ち上げではリーダーのリーダーシップは必要不可欠な要素と言えます。新たな事業を創出して成功させるためには、どれだけ優秀なメンバーを集めてもバラバラでは達成は難しいです。また新規事業ではプロジェクトメンバーはもちろんのこと、他の事業部や社外の人も含め、さまざまな人を巻き込んでいく必要があるため、周囲の理解・協力を得て、人を動かせる強いリーダーシップが求められます。

明確なビジョン

新規事業の立ち上げを推進するためには、『明確なビジョン』を持っていることが求められます。ただし私の経験では事業としてのミッションやビジョンはチームメンバーと議論して一緒に創り上げた方が、全員の意識を合わせる上でも良いと思います。リーダーは議論を主導してメンバーの想いがミッション/ビジョンとして整理できるようにすることが求められると思います。

ファシリテーション能力

新規事業では社内、社外の方々との交渉したり、協力のお願いをしたりとMTGが多くなると思います。なのでリーダーに限った話ではありませんが会議を上手に開催するテクニックは必須かと思います。

ファシリテーションに関しては『ファシリテーションの極意』で詳しく解説しています。

チーム運営の好事例

最後に新規事業に数多く携わった中で良い効果があった事例をいくつか紹介します。

ニックネーム文化

これは既存事業の担当をしている時に外資系企業を買収したことがありました。買収した外資系企業の文化として一般社員も本部長もニックネームで呼び合う文化がありました。買収して合流してきた直後は、同じ部署なのに資料も共有しないような、少しギスギスした感じでしたが、既存メンバーもニックネームを付けて呼び合ってみたところ徐々にチームとしての一体感が出た経験がありました。

そこで新規事業でもキックオフミーティング(はじめて集まったMTG)の時にニックネームで呼び合うことを提案したところ、とてもメンバー間の距離が近づき、仕事が進めやすかった経験をしました。

それから私はキックオフミーティングで「ニックネームで呼び合わない」と提案するようにしています。

ちなみに新規事業ではリーダーもメンバーもフラットな関係でいた方が良いと思います。ニックネームで呼び合うと自然とフラットな関係になれるので新規事業ではお薦めです。※既存事業ではリーダーは意思決定者としての役割がありますが、新規事業では意思決定はユーザーの声やデータに基づいておこなわれるべきだと考えています。もちろん、どうしても結論が出ないような問題はリーダーが責任を持って意思決定するべきだと思いますが。

1on1

少数精鋭のチームで事業開発をおこなっていると固定されたメンバーで議論を重ねることになります。最初は仲が良かったメンバー同士もギクシャクすることがありました。そのまま放置するとチームが崩壊してしまいます。そこで私は1人1人と週に30分づつ個別にMTGを実施して愚痴を聞いたり、それぞれの専門分野に関する相談をしたりする機会にしていました。

少人数のチームで人間関係の問題が出るとパフォーマンスが大きく下がります。なので私は芽が小さいうちに刈り取れるように気を配っていました。

「ミッション・ビジョン・バリュー」

「ミッション・ビジョン・バリュー」は、「現代経営学」や「マネジメント」の発明者として知られる経営学者、ピーター・F・ドラッカーが提唱した経営方針の考え方です。

私は新規事業の経験初期に事業の「ミッション・ビジョン・バリュー」をチームメンバー全員で話し合って決めることにしました。新規事業ではメンバー間の認識がずれたり、意見が分かれたりすることが多々あります。そんな時にチームメンバー全員で決めた「ミッション・ビジョン・バリュー」が問題を解決してくれたことが何度もありました。

詳しくは『ミッション・ビジョン・バリューの作り方』で解説します。

経営幹部直下で権限は新規事業チームに委譲

これは経営幹部側の考えにも依存する部分がありますが、私が経験した新規事業では経営幹部が責任を持ってくれて、権限は新規事業チームに委譲してくれる形が、一番すすめやすく成果も出たと感じています。

新規事業は立ち上げ期から初期までは売上/利益はほとんどありません。既存事業では昨年対比●%の売上/利益増などを求められる中で、既存事業の担当から新規事業への理解を得られないケースもありました。経営幹部が後ろ盾となって支援してくれたことで事業として成長フェーズまで持って行けたと感じています。

まとめ

今回は「新規事業を成功に導くためのチームビルディングの極意」を事例などを紹介しながら徹底解説させていただきました。

参考にしてもらえたら嬉しいです。

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